謹啓。いわしな治療院を御利用してくださる皆様におかれましては、恙無く御過ごしのことと存知申し上げます。
アンケートご協力、真にありがとうございました。
さて、皆様に御協力戴いた「逆児・アンケート」の集計が、大変遅くなりましたがまとめる事が出来ましたので、御報告いたします。
残念ながら、逆児が正常位に戻らなかった方には、お詫びの申しようもありませんが、神秘的力を有する鍼灸術といえども、神業ではないのでありまして、私の力が及ばなかった事を深くお詫び申し上げます。
しかしながら、皆様が協力して下さったアンケート結果を綿密に検討すれば、逆児治療の治癒率の向上に役立つものになることと確信しています。また、当院をご利用くださった皆様に対しても、技術の向上の一助にしなければならないと、決意を新たにした次第ですので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
ところで、その後、お子達は健やかに成長しておられるでしょうか。私を含め、鍼灸業界の宣伝努力不足のため、お母様方は御存じないと思いますが、乳幼児の鍼灸と言う分野があります。これも、やはり3000年以上の歴史があります。乳幼児は日々生長をするため、神経が高ぶりやすいものです。そのため、夜鳴き、むずがり、吐乳、軽い感冒、便秘・・・・、数え上げたらきりがないほどの症状を表します。この様な、わざわざお医者様を受診するほどのものでもない症状に、鍼灸は有効な療法です。関西地方では、「小児むしばり」とか、「ちりげのやいと」などと呼ばれ、大変ポピュラーなものです。
御子様の健やかな成長のために受療をお勧めします。
前九年から見える岩手山の雪化粧が、大分裾近くまで進んだようです。これでやっと冬らしくなるかと思うと、わくわくして来ませんか。冬の寒さも身体の滋養にするくらいの気力で、母子ともに健康であられますよう、お祈りいたします。
合掌三拝
平成18年 11月吉日
いわしな治療院
岩品 安柳
「2005年度、逆児治療まとめ」
総来院数 66名
アンケート回収数 46 63.7%
治癒 35名 76.1%
不治癒 11名 23.9%
(治癒例中、逆児発見から鍼灸を受診するまでの日数)
1週間以内 11名
2週間以内 6名
3週間以内 12名
4週間以内 5名
1ヶ月以上経過 1名
(不治癒例中、逆児発見から鍼灸を受診するまでの日数)
1週間以内 3名
2週間以内 2名
3週間以内 1名
4週間以内 1名
1ヶ月以上経過 4名
*逆児発見から1ヶ月以上経過してからの鍼灸治療受診者で、治癒例1名に対し不治癒例4名は着目すべきものと考えられる。万事がそうであるとは思うが、やはり早期発見、早期治療が大事なのか。
(治癒例中、鍼灸治療開始時の妊娠週数)
28週 5名
29週 10名
30週 10名
31週 3名
32週 3名
33週4名
(不治癒例中、鍼灸治療開始時の妊娠週数)
28週 2名
29週 4名
31週 1名
32週 3名
35週 1名
*治癒例中71%が30週以内に鍼灸治療を開始している。不治癒例をみると、30週以内に鍼灸治療開始した例が54.5%、30週以後が45.5%である。
治癒例の数字からみると、鍼灸治療開始は30週以内に行ったほうが良い事が推測できるが、不治癒例からは妊娠週数はあまり関係がないように思える。
(不治癒例と出産月)
4月 1名(3月初診)
6月 3名(4月2名、5月1名、初診)
7月 2名(5月初診)
8月 1名(5月初診)
9月 1名(7月初診)
10月 1名(8月初診)
11月 2名(8月1名、9月1名、初診)
*出産月、6、7、11月が上位三傑だが、1、2、3月の出産者に不治癒が0というのは興味ある数字である。