『春野や草はなぜ苦い?』
あの(野生の)熊が冬眠から目覚めて、最初に口にするのは、杉の生木の皮だそうです。あの杉の生木の皮ってのはとっても苦いものなんですよね。
このクマは、あの熊がやることは何故か興味がありましてね、一度(それは春ではなかったんですが)口にした事があったんです、ほんのわずかばかりでした。
ところが、その苦さたるや、ニガイってったってあれほど苦いものは無いと言うほどのものでして、日頃ソリの合わない者に、無理やり食べさせてみたいと思うほどの苦さでありました。
はい、とてつもなく、言葉に置き換える事が困難なくらいな苦さでありました。
で、どうして、冬眠から目覚めたあの熊は、これほど苦い生木の杉の皮を食べるのか?
を、このクマ流に考察してみたいと思うのであります。
じつは、昨日バッケをいただきました、患者さんからです。春一番の野草ですね。
てんぷら、バッケ味噌で戴きました。
口中に広がるなんともいえない野草風味、そして、そこそこの苦味。
未だ北向きで陽のあたらないあちこちでは雪が残っています。それでも、日当たりの良
い場所では、バッケが芽を出しているんですよねえ。
うーん、この味も春だなあって感じさせてくれるものの一つですね。
そして、今朝の排便に驚きましたって言うか、感動したのであります。それは、もうこれほど心地の良い排便なんか無いといえるほどの排便が出来たのであります。ええ、ええ、お腹の中が一掃されたのではないかと感じられるほどの排便でした。
そう云えば、あの熊も冬眠中にたまった宿便を目覚めとともに排出するために、あの苦い杉の生皮を食べるのだそうですね。
と、すると、今朝の僕のパーフェクトな排便ってのは、何が作用したんだと・・・?
ひょっとしたら、あのバッケの苦味が効を奏したのかもしれない・・・・・かな?
考えてみれば、春野草は苦味が結構強いものであります。ほとんどの春の野草は苦いといえるでしょう。これは、冬季の運動不足で身体にたまりがちな宿便を出すためなのでは
ないんだろうか・・・?
と考えると、今朝の僕の心地よいパーフェクトな排便がうなずけるわけであります。
で、この「苦味」が、どうして排便を促進するんだろうかと言う話をしたいと思います。
苦味を東洋医学的に見ますと、つまり陰陽で見ると、陽の類に属します。この陽性の運動性といいますか、作用性みたいなものはといいますと、
動きが良い、
者を暖める、
物を締める
みたいなものがあります。
で、どうしてこの様な作用性って言うか、運動性が宿便を排出したり、心地よい排便が出来るのかと言う事になります。
えええっと、冬の運動不足は、腸の運動不足にもつながります。腸の運動不足と言うと、腸が緩んでしまりの無い状態になっているとも言えるのです。腸が緩んでいると宿便が出来やすくなります。そうです、冬季に多いのが便秘であります。これは、腸が緩んで、腸内の便を排出する力が弱っているからであります。
そこに春野や素ウの苦味、陽性の強いものを身体に取り入れます。陽性の力が強いものですから、緩んだ腸を運動させて締めます。運動不足気味な腸を運動させるのであります、それが陽性の作用でありますから。
冬季にすっかり緩んでいた腸が、ガッツリ運動を開始するのであります。パーフェクトな排便がゲットできるのもうなずけると言うものであります。
そうなんですねえ、春の野草ガ苦いってのは、そんなところにもあるんじゃないんでしょうか。冬にたまった宿便を排出するためのものだと言うことであります。
ここで、お節介な一言。
陽性の味って物ですが、苦味ばかりじゃありません。塩からみなども陽性の代表的なものであります、これに反して陰性といいますと、甘みであります。この陰性の力といいますか、作用性と言いますか、そのようなものには、
物を緩める、
物を冷やす、
動きを緩やかにする
などと、陽性とは真反対の力があります。
ですから、春の野草食するさいに、苦味を消すために砂糖をあえたりすると、せっかくの春野矢草の陽性パワーが弱まってしまうのであります。これでは、何の為の苦味か解りません。苦いから陽性でありまして、苦いからパーフェクトな排便が出来るのであります。春の野草は、春の野草のまま、ありのままに戴いてこそ、初めてその効をゲットできるのであります。
一言、お節介でありました。
それでは、また。
クマ