逆児治癒率2006年度

 謹啓。いわしな治療院を御利用してくださる皆様におかれましては、恙無く御過ごしのことと存知申し上げます。
アンケートご協力、真にありがとうございました。
 2006年度の逆児治療アンケート協力依頼の際に、当方の手違いにより、皆様の御氏名と来院日、さらには御子様の出産予定日等を間違えてプリントし、それに気付かず皆様のもとに発送してしまいました。さぞかしご不快に感じられたことと思います。
パソコンの進化により、盲人でも封筒の宛名書きから手紙の文章までも墨字(点字に対して、一般人が使用する印刷文字の事)で書くことが出来る喜びに舞上がってしまいまして、間違いの有無をチェックせずに発送してしまい、この様な事が生じてしまったのであります。
今後、皆様に対し、この様な不快感をかけないためにも、チェック体制の再構築を図る事を約束いたしまして、この度のお詫びとさせていただきます。ご不快感をおかけしましたこと心から謝罪いたします。
 さて、皆様に御協力戴いた「逆児・アンケート」の集計が、大変遅くなりましたがまとめる事が出来ましたので、御報告いたします。
残念ながら、逆児が正常位に戻らなかった方には、お詫びの申しようもありませんが、神秘的な力を有する鍼灸術といえども、神業ではないのでありまして、私の力が及ばなかった事を深くお詫び申し上げます。
 しかしながら、皆様が協力して下さったアンケート結果を綿密に検討すれば、逆児治療の治癒率の向上に役立つものになることと確信しています。また、当院をご利用くださった皆様に対しても、技術の向上の一助にしなければならないと、決意を新たにした次第ですので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 それにしても、昨年度の治療成績は過去最悪でした。
逆児治癒率76%を割ったことは、いまだかって一度もなかったのに、
2006年度は67.5%と、例年に比べて一割も低いものでした。
この結果には何かしらの原因があるはずですから、これから分析して、その原因を発見できればと考えています。
 ところで、その後、お子達は健やかに成長しておられるでしょうか。私を含め、鍼灸業界の宣伝努力不足のため、お母様方は御存じないと思いますが、乳幼児のための鍼灸治療と言う分野があります。これも、やはり3000年以上の歴史があります。乳幼児は日々成長をするため、神経が高ぶりやすいものです。そのため、夜鳴き、むずがり、吐乳、軽い感冒、便秘・・・・、数え上げたらきりがないほどの症状を表します。この様な、わざわざお医者様を受診するほどのものでもない症状に、鍼灸は有効な療法です。関西地方では、「小児むしばり」とか、「ちりげのやいと」などと呼ばれ、乳幼児の健康維持の為のものとして大変ポピュラーです。
御子様の健やかな成長のために、一度受療される事をお勧めします。
 前九年から見える岩手山の雪もすっかり見えなくなり、夏山の雄姿を仰ぐことが出来、朝な夕なにおもわず合掌したくなってしまいます。
六月に入ったとたん夏めいて、ちょっと蒸し暑い日が続いていますが、このような夏の暑さも身体の滋養にするくらいの気力で、母子ともに健康であられますよう、お祈りいたします。
                         合掌三拝
平成19年 6月吉日
いわしな治療院
            岩品 安柳

2006年・逆児レポート

総数:70名
回答数:40名
回答率:57.1%

治癒:27名  67.5%
不治癒:13名  32.5%

【不治癒の分析】
1.取穴。尚、()内の数値は施灸受療者総数に対するパーセンテージで す。
右三陰交・右至陰:5名  38.5%    (38.5%)
左右の三陰交・至陰:6名  46.2%   (15.4%)
左右三陰交・右至陰:2名  15.4%   (5.1%)

2.逆児発見から治療開始までの期間。尚、()内は2005年度の数値で  す。
一週間以内:0名         (3名 27.3%)
二週間以内:2名  15.4%  (2名 18.2%)
三週間以内:2名  15.4%  (1名 9.1%)
四週間以内:2名  15.4%  (1名 9.1%)
一ヶ月以上:7名  53.8%  (4名 36.4%)

(備考)
 2005年度もそうであったように、2006年度も逆児発見から灸治療開始の期間が一ヶ月以上となると、逆児は不治癒になる傾向が強いようです。
 これは、胎児が母体内で自分の位置を獲得してしまい、もとに戻りにくくなるのだろうか。
いずれ、早期治療が大切であることは確かなようです。

3.逆児灸治療開始時の妊娠週数。尚、()内の数値は2005年度のもので す。
28週:0名  (2名)
29週:1名  (4名)
30週:2名  (0名)
31週:4名  (1名)
32週:3名  (3名)
33週:0名  (0名)
34週:3名  (0名)
35週:0名  (1名)

(備考)
 別項目の逆児治癒例と比較しても、治療開始時の妊娠週数との治癒、不治癒に対する因果関係はないようであります。
 前項目の考察でも記述しましたが、逆児と判ったら直ちに灸治療を開始する事がベストのように思われます。

4.逆児灸治療開始の月。
 尚、【】内の数値は2006年度の治癒・不治癒の合計数であり、()内の数値は2005年度の不治癒数です。
1月:0名  【3名】  (0名)
2月:0名  【2名】  (0名)
3月:3名  【3名】  (1名)
4月:2名  【3名】  (3名)
5月:0名  【3名】  (3名)
6月:0名  【1名】  (0名)
7月:0名  【3名】  (1名)
8月:1名  【2名】  (2名)
9月:3名  【6名】  (1名)
10月:0名  【4名】  (0名)
11月:2名  【5名】  (0名)
12月:2名  【6名】  (0名)

5.不治癒となった妊婦さんの出産した月。尚、()内の数値は2005年度 のものです。
1月:2名   (0)
2月:0名   (0)
3月:1名   (0)
4月:2名   (1)
5月:2名   (0)
6月:1名   (3)
7月:0名   (2)
8月:0名   (1)
9月:0名   (1)  
10月:1名   (1)
11月:3名   (2)
12月:1名   (0)

【治癒例の分析】
1.取穴。尚、()内の数値は施灸受療者総数に対するパーセンテージで す。
右三陰交・右至陰:3名    11.5%   (7.7%)
左右の三陰交・至陰:12名   46.2%   (30.8%)
左右三陰交・右至陰:10名   38.5%   (25.6%)
左右三陰交・左至陰:1名    3.8%   (2.6%)

(備考)
 *治癒例中、一名のみ、治療経穴の記載漏れがありまして、この項目の合計数は26名となっています。
 *右三陰交・右至陰のに経穴への施灸で、治癒例3に対し不治癒例が5となっていて、右側のみの2経穴を使用した中での治癒率は37.5%です。
 左右の三陰交・至陰の4経穴への施灸で治癒例が13例、不治癒が6例、4経穴使用した中での治癒率は68.4%です。
 左右三陰交・右至陰の3経穴への施灸では治癒10、不治癒2で、この3経穴を使用した中での治癒率は83.3%です。

2.逆児発見から治療開始までの期間。尚、()内は2005年度の数値で  す。
一週間以内:7名   (11名)
二週間以内:12名   (6名)
三週間以内:3名   (12名)
四週間以内:1名   (5名)
一ヶ月以上:4名   (1名)

(備考)
 逆児発見から施灸開始の期間が2週間以内が19名、70.3%です。
これは、逆児発見から施灸開始が一ヶ月以上経過した者の不治癒率が
53.8%と対比しても、逆児発見後の早期治療の重要性がうかがえると思います。

3.逆児灸治療開始時の妊娠週数。尚、()内の数値は2005年度のもので す。
28週:0名  (5名)
29週:6名  (10名)
30週:6名  (10名)
31週:6名  (3名)
32週:5名  (3名)
33週:2名  (4名)
34週:0名  (0名)
35週:1名  (0名)
36週:1名  (0名)

(備考)
 逆児発見から治療開始までの期間が、2005年度は30週以内が71.4%であるのに対し、2006年度は44.4%です。
2006年度の「不治癒例の逆児発見から治療開始までの期間」と照合すれば、この数値はうなずけるものです。
やはり、早期治療の重要性を示すものだと思います。

4.逆児灸治療開始の月。
 尚、【】内の数値は2006年度の治癒・不治癒の合計数であります。
1月:3名  【3名】  
2月:2名  【2名】  
3月:2名  【3名】 
4月:1名  【3名】 
5月:2名  【2名】 
6月:1名  【1名】 
7月:4名  【3名】  
8月:1名  【2名】)
9月:2名  【6名】 
10月:1名  【4名】
11月:2名  【5名】
12月:6名  【6名】

5.逆児が治癒した妊婦さんの出産月。
1月:3
2月:2
3月:2
4月:2
5月:1
6月:1
7月:4
8月:1
9月:2
10月:1
11月:2
12月:6

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 2006年度の逆児治療結果の集計をはじめました。まとまった所から随時お知らせいたします。
 それにしても、昨年度の治療成績は過去最悪でした。
逆児治癒率75%をわったことは、いまだかって一度もなかったのに、2006年度は65%と一割も低いものでした。
何かしら原因があるはずですから、これから分析して、その原因を発見できればと考えています。

2006年・逆児レポート

総数:70名
回答数:40名
回答率:57.1%

治癒:27名  67.5%
不治癒:13名  32.5%