「咳と痰の治療法」の質問に対しての返事

どうも、xxさん、安柳です。
自己紹介ありがとうございました。

お礼と言っては何ですが、名刺代わりにあなたの質問に対して僕の考えを書きます。
 返事は文中に挿入しました。
僕の考えは文頭に・・・を付けてあります

> はじめまして! の方が多いとおもいます。盛岡市在住の 鍼灸師年生です。まだまだ 未熟者ですが よろしくお願いします。

 ・・・こちらこそ、よろしく。

> 現在は 訪問鍼灸専門でつとめています。ずいぶん遠くにいらっしゃる方も多いみたいで、興味深いですね。

 ・・・このMLが世界に広がるのが僕の夢です。

疑問質問というか、患者さんで75歳女性 子供のころからというので 体質なのでしょうか?
> 食べすぎや甘いものを食べる、薬で胃があれるなどで、咳がとまらなくなり、痰がでるとともに治るという人がいます。

 ・・・そうですね、この方は脾虚体質でしょう。

> 西洋医学的にももちろんわかりませんが 東洋医学的に 説明のつくことなのでしょうか?

 ・・・もちろんです。

 「食べすぎや甘いものを食べる、薬で胃があれるなどで、」

というのは、脾・土の変動ですよね。それも脾・土経が弱いからですね、つまり虚です。そして、
 「子供のころから」

って事ですから、この方は脾虚体質と判断してかまわないと思います。

 脾虚証の人は、体液(津液)を巡らす力が弱いものです。巡りの悪い体液(津液)は体内で湿に変化しやすいものです。
そしてこの湿は、過飲過食、過労によっても体内に生成されやすく、その生成された「湿」が邪適に作用し色々な病症を発生させるのです。
特に甘味の食品の取り過ぎによって人体が感受する程度は、「湿邪」を受けた様に感じるものです。
飲食労倦は不内外因とされていますが、外邪を感受した外感病と同様な病症を起こします。
ただし、外感病の様に陽実証は現さず、むしろ陽虚証的な症状が診られます。 ですから主体となる治療法は補法です。
 「咳がとまらなくなり、痰がでるとともに治る」
ですが、痰とは体内にある余分な湿が身熱によって蒸され、痰と化したものです。

この痰が気道を狭くして気血の欝滞を起こさせ咳が出ていると考える病症だと思います。

> また 治療法あるのでしょうか? 

 ・・・・当然です。無ければ僕達は一体何をすればよろしいんでしょうか?
 「痰がでるとともに治る」とありますが、これが治療法だと考えれば良いでしょう。
つまり、
1.痰を発生しないようにするには体内の湿を貯溜させないように巡らす。

2.生成された痰の切りを良くする。

3.脾虚体質の改善を図る。

を目標にすれば良いのではないでしょうか。

 そこで、1に大しては、
三焦経、胆経、肺経
2に対しては、
 肝経、脾経、腎経、大腸経、胃経、胆経
 前胸上部、肺兪穴周囲の虚的反応に対しての補鍼

 3に関しては、
脾経、肺経、胆経、小腸経、三焦経

 以上の経脈をチェック対象とします。

チェックにおいてOKサインが得られた経脈は全て治療経脈として用います。
 治療経穴も同様にOKサインが得られた経穴を取穴します。

 灸療法ですが、

上記の経脈上の5行穴、5兪穴で陥没が認められるものに自宅施灸を支持するでしょう。

まあ、さxxさんからの情報で答えられるのはこれくらいでしょうか。

詳しい治療法の質問をされるときは、やっぱ詳細な情報がなければなりません。
情報が少ないという事は、質問者の診察が粗雑であることの証明になります。
粗雑な診察では粗雑な治療しか出来ないと思います。

それは、粗雑な診察で粗雑な治療を受ける不幸と、粗雑な治療しかできない不幸をもたらすものとなるでしょう。
プロの自覚を持ち、一生懸命でなくてもいいから毎日努力をしましょう。

質問してくれ、ありがとう。