「2004年、逆児来院者のまとめ」

昨年(2004年)度、逆児治療がまとまりました。
三度目の正直ってなもんで、追跡調査を開始して三度目で、何とか見られるものが出来ました。
傾向性ぐらいは推測できますが、それを口に出すのはまだ早計な統計です。
今後を御期待下さい。

「2004年、逆児来院者のまとめ」

  総数  80名
  追跡調査協力者数(回収率)  54名  67.55%
  治癒  38名  70.4%
  無効  16名  29.6%

    【出産月別の有効、無効数】
(2004年)
1月 --- 有効 2.   無効 1.
2月 --- 有効 4.   無効 1.
3月 --- 有効 0.   無効 1.
4月 --- 有効 2.   無効 0.
5月 --- 有効 1.   無効 0.
6月 --- 有効 2.   無効 1.
7月 --- 有効 1.   無効 5.
8月 --- 有効 3.   無効 3.
9月 --- 有効 3.   無効 1.
10月 --- 有効 5.   無効 1.
11月 ーーー 有効 4.   無効 1.
12月 ー-ー 有効 2.  無効 1.

(2005年)
1月 --- 有効 4.   無効 0.
2月 --- 有効 5.   無効 0.

  (考察)
  7月の無効率は段突で、他の月の三倍である。
また、1月、2月、10月の有効率が高い値を示している。
 これは、寒い時期の出産の逆児は直りやすく、暑い時期の出産の逆児は直りにくいと言うことだろうか?

    【来院時の月別有効、無効者数】

1月 --- 有効 2.   無効 1.
2月 --- 有効 2.   無効 1.
3月 --- 有効 1.   無効 0
4月 --- 有効 1.   無効 0
5月 --- 有効 1.   無効 5.
6月 --- 有効 1.   無効 3.
7月 --- 有効 2.   無効 3.
8月 --- 有効 7.   無効 0
9月 --- 有効 4.   無効 0
10月 --- 有効 4.   無効 2
11月 --- 有効 5.   無効 0
12月 --- 有効 8.   無効 1.

(考察)
 8月から12月の来院時ということは、8月から12月に逆児になると見る事が出来るであろうし、この時期の逆児は直りやすいと言えるのか?

    【逆児発見から灸療を開始するまでの期間】
  (治癒したもの)
1週間以内 --- 12
2週間以内 --- 16
3週間以内 --- 2
4週間以内 --- 1
4週間以上 --- 7

  (無効だったもの)
1週間以内 ーーー 3
2週間以内 --- 3
3週間以内 --- 6
4週間以内 --- 3
4週間以上 --- 2

  (考察)
 治癒したものの中で、2週間以内に治療開始した者が、73.6%と高い数値をあらわしている事から、逆児発見から2週間以内に灸治療を開始するのが良法と思います。
ただし、無効例を見ると、発見後、治療開始までの期間の長短に差は無いようにおもえます。
    【灸療開始時の妊娠週数】
  (治癒したもの)
27 ーーー 1
28週 --- 2
29週 ーーー 6
30週 --- 9
31週 --- 3
32週 --- 4
33週 --- 4
34週 --- 3
35週 --- 3
36週 --- 2
37週 --- 1

  (無効だったもの)
28週 --- 1
29週 --- 1
30週 --- 1
31週 --- 4
32週 --- 2
33週 --- 3
34週 --- 2
35週 --- 1
36週ーーー 1

   【使用経穴】
  (治癒)
 右三陰交・右至陰   19  50%
  右三陰交・右異説至陰   6  15.8%
  左三陰交・右至陰   5  13.2%
  右三陰交・左至陰   2  5.3%
  左三陰交・左至陰   2  5.3%
  左右の三陰交・左至陰   1  2.6%
  右至陰   1  2.6%
  右三陰交   1  2.6%
  左右の至陰   1  2.6%

  ** 三陰交と至陰の2経穴を使用した患者と、三陰交あるいは至陰の1経穴を使用した患者には、明らかな差があった。
三陰交あるいは至陰の1経穴よりも、三陰交・至陰の2経穴を使用する(チェック対象とする)べきであろうと考える。
  **  右異説至陰を使用した臨床例も含めて、右三陰交、右至陰の組み合わせが65.8%と高い数字を出している。
日々の臨床で感じてはいたが、このように数字化されると改めて驚いている。
  **  右至陰(異説至陰も含む)を見ると、78.9%と、これも高い数字を出している。
  **  異説至陰
 これは、深谷伊三郎氏の『お灸で病気を直した話し』の中に記述されている。

  (不治癒)
  右三陰交・右至陰   5  31.3%
  右三陰交・右異説至陰   3  18.8%
  右三陰交・左至陰  2  12.5%
  左三陰交・右至陰   2  12.5%
  左三陰交・右異説至陰   1  6.3%
  右異説至陰   1  6.3%
  左三陰交   1  6.3%
  左右の三陰交・至陰、4穴   1  6.3%

     (以上)