これは、息子が小学1年だったときにとなえた自然科学(?)説です。今、息子は25歳(かな?)です。
何かの教科だったんです。何だったか、今は記憶していません。担任の教師が児童に問いかけます。
「夕焼けだったら明日は晴れるとか、月が笠をかぶっていたら明日は雨だとか、鯉がよくはねるからもうじき雨が降るとか、自然の中の出来事で天気予報ができるのは、みんな知ってるよね。それじゃあ、お星様が夜空一杯にきらきら輝いていたら、次の日はどんな天気かな?」
当然のことですが、子供達は「次の日は晴れ!」と、わいわいがやがやしながら答えていました。そんな中に、一人の男の子が、もう我慢できないといった様子で、やおら立ち上がり話し出しました。
「それっ、違うよ。お星様がきらきら見えるあれは、お星様の涙なんだよ。だから、お星様が空一杯に見える夜は、お星様の涙が空一杯になってて、それが溢れてくるから、次の日は雨なんだ!」と。この男の子が僕の息子です。
彼の自信に満ちた態度からか、小学1年としては非常に論理的だったせいでしょうか、やけに説得力があって、先程まで「星空の翌日は晴れ」と主張した子供たちが、「ソウか、星空の次の日は雨なんだ」と、何か変だなあという気持ちを残した表情、狐につままれたといったような表情をしながらも納得したそうです。
この、星の涙は、父母に送られてくる担任教師からのニュースレターで知りました。
親馬鹿でしたが、「こいつはデケル。将来、スゲェー文学者になるぞ。楽しみジャー」と、思ってしまいました。
あれから十数年、彼は普通の青年をしています。スゲェー文学者にならず、普通の青年に成長してくれました。普通の青年をやっててくれて有り難い。親もできないような立派なことをやられた日には、一緒に酒を呑むのに肩がこってしまいそうだものね。
やっぱ、これも親馬鹿か?
by Dr.Bear