「笑ってよ!アリゾナ」その12

初めての海外旅行だ。やらなければならないことが沢山あった。
英語は、二人とも片言しか(単語だけ)話せない。誰か通訳が必要だった(行ってみたら、安じるほどのことはなく、単語だけでも結構つうじるものだったが)。
これは、昨年のピースランで、トムの通訳をしていた女子大生に話を持ちかけた。
夏休みに入る時期ということから、OKがとれた。
次に、むこうでのドライバーだ。これにはかなり時間がかかった。
まず第一に、私たちの命を預けるようなものだから(大げさかもしれないが、私は交通事故で失明していて、今度交通事故に遭遇するときは死亡するだろうと考えているから)、ドライバーテクニックもさることながら、沈着冷静、かつ機転のきく頭脳をもち、心にゆとりのある人を捜さなくてはならなかった。
何人か名前が挙がった。
話を持ちかけてみた。
全ての人に断られた。
理由は、3週間近くも、仕事を休めないというものであった。
無理からぬことである。私達の条件にかなう人は、社会的にも責任のある地位の人が多いのは当然で、そのような人が、長期に仕事を休めるはずがないのである。
私の見通しが甘かったのだ。
時間は迫っていたが、ドライバーの件はもう少し考えることにして、日程を決めた。